分譲マンションの「窓」は誰の物?
分譲マンションにおける「窓」の扱い、知っていますか?
分譲マンションには2種類の持ち主がいる
分譲マンションの区分は持ち主によって2種類に分けることができます。
①専有部分と②共用部分です。
分譲マンションで販売されている「お部屋」は、個人が所有するため①専有部分となります。
誰か1個人が専用で使える部分ですね。
「ロビー」や「階段」は入居者のみんなが使う部分で、1個人が買い取った部分ではないで、②共用部分となります。
そもそもなぜ分けられているかというと、一番に管理の問題があります。
階段が欠けてしまったり、外壁が剥がれてしまった時に誰が補修してその費用を出すのか。
②共用部分としておけば、全員が費用を負担するべきと規定することができますね。
逆に①専有部分で発生した破損や故障は当然個人で解決すべき、となります。
ではここで、窓の問題。
個人が所有する部屋に付いている窓も、当然個人の所有物!
と思いがちなんですが、実は違います。
窓・窓枠は②共用部分とされているのです。*1
とある部屋で、子供がボールをぶつけて窓を割ってしまったとします。
「共用部分なので、入居者全員で修理費用を負担してください」と言われても、納得いかないですよね?
ここについては、ほとんどの物件で「管理規約*1」に記載があります。
多くは、
1.窓は共用部分とする
2.ただし、各区分所有者(入居者)の専用使用部分である
3.窓の保存行為・通常の使用に伴う管理修繕は、区分所有者で行う
といった内容です。
もっと砕けた文章にすると
1.窓はみんなの物です
2.でもお部屋の持ち主だけが使える物だよ
3.だから掃除と修理はお部屋の持ち主でやってね
ということで、どこかの部屋で窓が割れてしまっても、修理費用はその部屋の人が負担するという規約を定めているケースがほとんどでしょう。*1
どうして共用部分なの?
管理も修理も個人で行うなら、専有部分でいいよね?って思いませんか?
私もそう思います。
ただ、窓というものは屋内と屋外を隔てる為の重要な部分です。
ここが共用部分とする理由の1つ。
もし、割れた窓を修理しない人がいたら?
雨水や砂埃が部屋の中へ入り、換気口や配管、床や壁に影響が出てしまいます。
雨水を室内に溜めっぱなしにすれば、下の階へ漏れたり、鉄骨など主要な構造体をさび付かせる原因にもなりかねません。
そんなとき、「窓は共用部分だから、他の部屋や構造体に影響が出ないよう速やかに補修しなさい!」と言うことができますね。
専有部分にしてしまうと「個人の自由!」で押し切られ、最悪建物全体に支障が出てしまいます。
窓を共用部分としているのは、マンション全体の安全を確保する目的も担っているのです。
マンション選びと窓
窓が共用部分ということ、ここまででイメージできたでしょうか?
では逆に、古い窓を取り替えたい!と思った場合。
共用部分は、勝手に改修することはできません。
建物全体の安全にかかわることですから、「管理組合」の許可を得る必要があるのです。
そのため、フルリフォームやリノベーション物件でも窓は手つかずの場合が多いです。
現に私が購入したリノベ物件もそうでした。
中古やリノベマンションを選ぶ際、窓の状態はよく観察してくださいね。
ではでは🐡
ランキングに参加しています。応援ありがとうございます🐡
*1:「管理規約」の内容は物件により様々なので、異なる解釈で運用しているマンションもあります。